経済なき道徳は寝言という残酷な事実

僕の好きな言葉に「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」というのがある。
要約すると「法律違反は犯してなくてもモラル無く稼いでいる奴は総じて屑だ。ただキレイ事ばかり言っても稼げて無ければ意味はないよ」という感じか。

僕は24歳で起業した時は、RMTの元締めといういわば必要悪の立場だったので、前者の部分に若干該当していたかもしれない。
当時は大学を中退して失うものがなかったので「馬鹿野郎。人生は稼いでなんぼだ。一発逆転して億万長者になってやる。世の中に名前を轟かせてやるぜ。今にみていろ」という鼻息荒い感じだったのも否定はしない。
そんなもんだから数年でそこそこの稼ぎになった時、恥ずかしながら六本木という夜の街で金と女に溺れてしまった。
ただそれからとある出来事をきっかけに「僕はこんなクソッタレた人生を送ってる場合ではない。もっと人に好かれる生き方をしたい」と思い立ち、急遽方向転換した。
衣食足りて礼節を知ったわけだ。
それからはペイ・フォワードを第一に、時には事業を起こし、時にはサポートに周り、せっせこせっせこ今まで頑張ってきた。
道徳なき経済は罪悪である、という言葉こそが最重要だと思ってきた時期だと言える。

「道徳なき経済は罪悪である」
この言葉が重要だと思っているのは今でもそうだ。
嘘偽りなく心の底からそう思う。
だが正直に言うと、40歳を過ぎた今となって思うことは、それよりも「経済なき道徳は寝言」という部分のほうが気になっている。

僕はメンターという職業を名乗り始めて今年で3年目になる。
ありがたいことに最近はとても捌ききれない数のメンタリングを依頼される。
その中でちょいちょいあるのが、社会課題解決型ビジネスの相談だ。
どこかの国の貧困を無くしたいとか、何かのマイノリティの課題を解決したいとか、そんなのだ。
大半の人は自分自身の経験からそういうアイデアを思いつき、僕のところに駆け込んでくる。
そのアイデア自体はとても良い。
世の中を良くする為に必要な事だ。
歓迎こそすれ否定する理由など一切ない。
ただ問題とするならば、そういった人たちの事業のほぼ99%が経済性を一切伴っていない事だ。
いわゆる思い先行型というやつに該当する。
そういう人たちを最初から終わりまで観察すると、立ち上げの思いは本物で熱量もある為、最初に数名の周りを巻き込むことは出来る。
しかし最初は目を背けていたマネタイズが難しいという現実に対し、徐々にリアルに直面するようになり、結果すったもんだの末に止めていく事になる。
しかもたちの悪いことに、本人たちは事業を撤退する時ですらある種の満足感というか達成感があり、「頑張ったんだけど駄目でした。悔しいです。次の経験に活かして、助けてもらった人に恩返しします」という言葉を語り、青春の1ページを作って去っていく。
僕はこういうビジョンだけは大層立派に語り、夢物語を妄想し続けて、さんざん周りをかき回した挙げ句、何一つ解決しないまま止めていく例を多数見てきた。そういう経緯があり、道徳なき経済は罪悪である、という言葉を強く思うようになった次第だ(不本意だが、すれてしまったと言う事かもしれない)。

断言しておくが、社会課題というものには銀の弾丸なんてものはない。
10代20代の金も力も無い若者が、5人10人集まって1年やそこら活動したところで解決出来るものではない。
そんな軽々しく解決できないからこそ、そこには依然として根深い課題が存在しているのだ。

近年、社会課題解決力と経済力を兼ね揃えた企業をゼブラ企業と呼ぶ。
筆頭は僕が尊敬してやまない山崎大祐が副社長を務めるマザーハウスだ。
その他に幾つかこれに該当する企業を僕は知っている。
ある種相反する性質を持つ社会課題性と経済性を兼ね揃えた企業を、僕は心の底から素晴らしいと思う。

若い起業家の一番の武器はその熱量であることは間違いない。
しかし熱量だけでは解決しない事があることをどうか知ってもらいたい。
そしてそういう事に挑む時こそ、熱い情熱と冷静な思考をもって取り組み、時間をかけていく必要があるということも。
勿論それらが成された先に待っている世界は、誰もが喜ぶ素晴らしいものであるのは言うまでもない。

という事で今回の話は以上とする。

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