オフラインとオンラインの最適解は違う

コロナが続く中、多くのスタートアップが試行錯誤している。
それはそれで素晴らしいことだし、この先何が生まれるのかはとても楽しみだ。
だが、少なくない数のスタートアップが根本的な勘違いをして事業を構築しようとしている。

「オフラインとオンラインでは最適解は違う」

今回はこのことに警鐘を鳴らす為にブログを書いてみる。

まず最初に言っておく。

オフラインでの環境や行動パターンをそのままオンラインに再現することは、多くの場合に於いてあまり意味がない。
なぜならオフラインにはオフラインの、オンラインにはオンラインのそれぞれの得手不得手があるからだ。
オフラインでの今までの形はオフラインでの得手不得手に沿った最適解であり、その得手不得手がある意味逆になるようなオンラインに於いてその形をそのまま持ってきてもワークはしない。
今一番必要とされているのは、そのビジネスに求められている本質的な価値を的確に抽出し、それに対してオンラインでの最適解を見つけアウトプットをすることだ。

2020年、コロナによっておびただしい数の課題が一気に全世界で発生した。
誤解を恐れずに言うと、これは起業家にとってはチャンスでもある。
なぜなら僕ら起業家にとってペインこそがビジネスの種だからだ。
そういう風に捉えると、ちょっとオーバーかも知れないが、今は「大航海時代の幕開け」とも言える。
しかしいま世に出始めているソリューションの少なくない数が、未だ過去のオフラインでの体験に囚われた作りになっている。
そうではなく、そのペインに対するオンラインでの新しいアプローチを見つけていく、それが出来た人こそが次の時代に成り上がれる。

一つ例を上げてみる。
最初に断っておくと、ここからは自社サービスの内容も盛り込まれている。
でだ。
自社サービスを表現する為に他社サービスを貶める必要は一切ない。
そんな事は僕だって長いことこの業界にいるんだから重々承知だ。
だが今回は敢えて先に書いたような事を示すために、ちょっとだけDisってる部分がある。
この点ご理解いただきたい。

さて、皆さんはRemoというサービスは勿論ご存知だろう。
オンラインネットワーキングに特化したサービスで、Zoomしか知らなかった僕たちに、少人数で話せて、かつ自由に部屋を行き来ができるという強烈な体験を提供してくれたサービスだ。
Remoはそれ以外にもセミナーもできるし、投票もできるし、あれはあれで本当に素晴らしいといえる。
が、残念なことに若干不便な点がある。
オシャレなデザインは素晴らしいしワクワクするのだけれど(実際こないだのIVSのデザインには感動した)、それ故にスマホだと全くといってよいほど対応しておらず、そしてPCからですら動作が不安定な場合が多い。
このオシャレなデザインというのが曲者で、オフラインの場合には確かに非常に重要なポイントだ。
しょぼい会議室で話すより、WeWorkのようなオシャレなスペースやアマン東京のようなイカしたラウンジで話すほうが話は弾む。
が、オンラインの場合、果たしてそれがどこまで必要なのか。
もちろんオシャレなデザインのほうが良いに越したことはないが、それによってスマホが使えなくなるのならば、それは違うだろ、と。
ネットワーキングに必要とされる本質的な部分は、オシャレなデザインにあるのではない。
安定した環境や、シンプルだけど使いやすい機能、つまり円滑なコミュニケーションができること、そのものなのだ。
そりゃまあオンラインでもデザインが求められる場合も状況によってはあるだろうけど(デザイン関係やら何やらには)、そうはいっても本質的に必要とされるのはコミュニケーション部分だ。

で、このRemoがリリースされて以来、日本でも同様のサービスが幾つか出てきた。
が、僕に言わせると、それはどれもこれもが見事なまでにRemoに引っ張られすぎている。
Remoというファーストペンギンが強烈なインパクトを与えすぎたのか、あの型を何故か勝手にデファクトスタンダードだと思い込み、Remoをベースに魔改造してしまっているのだ。
冷静に考えて、テーブルだかサークルだかなんだかわからないが、人の輪をグラフィカルにリッチな表現をすることが本当に大切なのだろうか。
他にも例えばよくある機能として、相手の輪に近づけば近づくほど声が大きくなりますよ、というのがある。
こんなもんはオフラインならばそれは確かに必要とされるが、オンラインでは冷静に考えたらいるわけが無い機能そのものだ。
体験としては斬新かもしれないが、オンラインでは完全に無用の長物だ。
というかなんだこの、オンライン上でのアイコンが向いた方向にだけ声が飛ぶという機能は。
もう無茶苦茶じゃないか……。
完全にオフラインのそれとオンラインのそれを混同している。
何度も書くが、オフラインとオンラインの得手不得手が違っていて、むしろ逆になっている状態で、オフラインの型をオンラインで再現することに何ら意味はない。

さて、そんな状況で僕が求めているサービスが一向に出てこなかったので、致し方なく久方ぶりに僕は起業家となってサービスを一つリリースした。
eryngii というネットワーキングサービスだ。
これでエリンギと読む。
まあ早い話Remoの交流機能だけを取り出したサービスだと思ってもらえばいい。
ただRemoみたいにオシャレなテーブルはないし、デザインは予算の問題でテンプレートのようなものを採用していてとてもシンプルだ。
だがその分機能的で、ごちゃごちゃ装飾がない分、スマホやタブレットにも完全対応していて、人によっては見やすい作りになっている。
まあ僕なりに表現すると、周りのノイズに囚われず本質のみを追求して必要最低限を盛り込んだ作りになっている、というわけだ。
ありがたいことにリリースした日に某大手企業から導入の問い合わせを頂いたり、アライアンスだけじゃなくもっともっと踏み込んだ提案ですら頂いた。
皆やはりこの手の物は求めているようで、ニーズがすぐに確認できたのは嬉しい。
ただ残念ながら eryngii は現在手弁当でやってるので予算がほとんど無く、入れたい機能もマトモに実装できていない。
本当にまだまだβテスト中で最低限のMVPでしかなく、フッターすら用意してないほどの有様だ。
この辺りは支援者でも欲しいなと思っている今日このごろだ。

っと、なんか話が宣伝になってしまったな。
ええと、つまり何が言いたいのかと言うとだ、何度も書いた通り、オフラインとオンラインでは特性が違うから、一つの課題に対してアウトプットも当然違ってくる。
そうなった時に過去のオフラインでの行動様式に囚われたものをオンライン上で展開するのではなく、オンラインに沿った新しい形を見つけていこうね、ということだ。

ここまで読んでくれて感謝する。

eryngii は本当に強いポテンシャルを抱えているので、興味ある人はご連絡くれたし。

ネットワーキングサービス eryngii


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