With コロナにおける新規サービスの見つけ方 その1

WC(With Corona)の時代に切り替わった今は、若い起業家には最もチャンスな時期である、だから起業をしよう、という様な話を前回は書いた。
今回は、それではどの様な観点から見つけていけば良いのかを記す。
何かの参考にしてもらいたい(ちなみに今回もC向けWEBサービスに限った内容だ)。

考え方はこうだ。
こちらも前回書いたが、インターネットが1995年辺りから話題になり、ネットバブルやスマホ化を経て、もう大半のものがオフラインからオンラインへとリプレイスされている。
オンラインのほうが便利でオンライン化されていないものは、もう無いと断言できる。
日常における不便さは特に無く、課題という課題も特に無い。
その為、ペインから探すというやり方では、ことC向けWEBサービスに限って言えば、もうあまり通用しないのかもしれない。
さて、そこに来て今回コロナにより、完全にオフラインがシャットダウンされた。
そうすると何が起きるのかと言うと、もともとオフラインの方が遥かに効率が良く、そのためオンライン化されてなかったものが、致し方なくオンライン化をせざるを得なくなった。
オフラインが利用できたBC(Before corona)では必要なかった為、このご時世まで残っていた空きスポットの、最後のオンラインへのリプレイス化が起きる。
まず、ここで注意したいのは、このWC(With corona)の時代のリプレイスで生まれたサービスは、基本オフラインの劣化版になる、ということだ。
そりゃそうだ。
もともとオフラインのほうが効率が良いのは分かっていたので、そこを無理やりオンラインにしたら不便な部分が明らかに増え、今までに比べて効率は落ちる。
ただその効率が悪くなったとしても、オンライン化によって多少ながらでも新たなメリットも生じる。
例えば移動時間や経費の節約、情報共有の利便性など、である。
故に、過去の利点と比較して嘆くのではなく、新たに生まれたメリット部分を強調し、伸ばし、WCに適合した新たな形のサービスを目指すのが良い。
もちろんいつかはWCは終わり、AC(After corona)の時代になる。
その際に幾つかのサービスはBCのサービスへと戻っていくだろう。
しかし幾つかのものは新たなWCのサービスを利用していくだろう。
この、いつACになるのか、そしてどのジャンルにおいてどれだけのユーザーが残るのか。
それを冷静に見極めて、スマートに戦略を立て、最適なアウトプットを出せるかが大切で、起業家の力量が問われるところでもある。
個人的にはWCはまあ最低でも2020年は続くと思うし、ACになっても極端にオフラインが強いという特殊な事情がない限り、ある程度のShareはリプレイスされたままになると思う。

さて、それでは実際に幾つかの具体例を上げてみよう。
まず先に一点頭に入れてもらいたいのが、「アセット」という要素だ。
つまり新たな余白ができてチャンスが生まれたとして、全員一律に同じラインから一斉の声でスタートが出来るかと言うと、ものによって出来るものと出来ないものがある。
それは関連サービスをやっていた既存事業者が抱えているアセットがアドバンテージになるかならないか、で当然決まる。
大半の場合はアセットがある方がまあ有利っちゃ有利だが、それが占めるウェイトによって判断するべきである。

では早速。

最初に上げるのはネットワーキングだ。
ネットワーキングなんてそれこそリアルで会わないと、高められるエンゲージのアッパーなんて高々知れている。
オンラインだと時間はかかるし、仲良くはなれないし、といいところはあまりない。
しかしまあ昨今のZoom飲み会をやってみると、これはこれで悪くない部分も結構ある。
移動時間もないし、家で気軽に会えるし、飲食費はかからない。
しかも既に何度もオフラインで会っていてエンゲージが高まってる同士ならば、正味な話オフラインで会ってるのと同じぐらいに楽しめる時ですらある。
こうなると思うのは、BC、旧時代の僕たちはなぜ誰ひとりとしてこんな簡単な事すら気づかなかったのか、やろうとしなかったのか。
そりゃ相手があっての物とはいえ、少なからずこんなITスタートアップ人間が沢山いるのだから、もうちょっとやってみても良かったのでは。
僕たちは皆馬鹿だったんじゃなかろうか、とまで思う。
もちろん先にも書いたように初対面同士だとエンゲージのアッパーは高々知れているのは変わりないが、それにしたって、オンラインで完結する類のものを依頼するのならば十分コンバージョンまではもっていけるだろう。
オンラインで会っただけの人にも、オンラインでセミナーしてね、的なものだったら十分コンバージョンできる。
オフラインの案件のコンバージョンは、もちろん出来ないにしても、フックぐらいにはなるはずだ。
さて、そうなるとこれに関してどういった新規事業が良いのかというと、一つにオンラインでも初対面でエンゲージのアッパーが上げられるサービス的なものが考えられる。
要はオンラインの弱みであるアッパーを引き上げてオフラインに近づけようぜ、という仕組みだ。
これはまだまだこれから各人が試行錯誤する事になるんだろうが、例えばオンラインで一対一で会う際共通の知り合いを間に挟むことができたり(人は信頼のおける人間から紹介された人間なら安心するものだ)、あるいは仕草や雰囲気が完全に分かる等身大VRアバターサービスなんてのもよいだろう、はたまた実現できるかは分からないがもしエンゲージのアッパーを妨げるのが「匂い」だと判断するのならば匂いを再現できるガジェットなんかも良い。
そういうのが一つチャンスにある。

似たような感じで言うと、オンラインデートなんかもそうだ。
これにしたってオフラインで会うのが圧倒的に効率が良いため、誰も今までオンラインでやっていなかった。
が、昨今やるところがチラチラと増えてきている。
僕はまだ未体験だけれど、これもこれでオンラインにもメリットがあるように思える。
つまり今までは、1番目にテキストでのやり取りをして、2でオフラインで会って、3で気に入った人と続ける、という流れだった。
しかしこの2から3に続くには、たとえ1で精査したとしても、その確率はかなり低い。
その低い確率に出会うため、毎回毎回仕事帰りの貴重な空き時間を使って(あるいはもっと貴重な休日を使って)、おめかしして、丸の内のカフェ(渋谷でも表参道でもどこでも良いけど。なんなら松戸でも)辺りで一杯900円もするコーヒーを飲み、1時間ほど会話して見極めていたのだ。
人間会って3分で良いか悪いかなんてパッと分かるものなのに、これが微妙な人が来た日にはもうそれは悲惨なものである。
ただただなんとか1時間を無難な形で終わらせることに終止し、二人分の1800円を支払うわけだ。
ほとんどの人にご理解頂けると思うが、これがどれだけ辛いか。
しかしオンラインデートの出現によってこれは大幅に変わった。
旧来の1→2→3の流れでいう1と2の間に、オンラインで審査する、という項目が入ったのだ。
もちろんオンラインで判断できることなんて限界があるが、それでも2→3の篩い分けを補うには十分すぎるほどの効果がある。
移動時間も要らず、貴重な休みも使うこと無く、おめかしも最低で構わず、そして糞高いコーヒー代を払うこともなく、更に無駄に長い1時間という意味のわからない拘束時間すら要らない。
会わないと思ったら、サクッと切り上げたって問題ないのだ。
WCの今となっては、オンラインでまずは話しませんか、という提案はスムーズな流れなので、何一つおかしいことはない。
本当にBC、前時代の僕らはなぜこれに気づかなかったのか……。
んが、ここで一点注意してもらいたい事がある。
それが先に書いた「アセット」の存在である。
このオンラインデートは間違いなくニーズがあるし、これから伸びてくるだろう。
そして参入障壁はとてもとても低いので、おそらく多くの若者がチャレンジしてくると推測できる。
そしてファーストペンギン(か、ファーストペンギンをシャチに食わせる事に成功したセカンドペンギン)は幾分かShareを奪い取ることに成功するだろう。
が、本質的にこのサービスのビジネスドライバーは別にあり、そして既にアセットを抱えているところがはじめたら、新規参加者にとっては大きなディスアドバンテージになる。
この場合のアセットとは、婚活や恋活をしていてそれ目的で集まっているユーザーとのネットワークの有無だ。
つまり既存のマッチングアプリ事業者がそのままオンラインデートをはじめたら、参入障壁が低いからといってはじめた新規参加者ではとても勝ち目がない。
まあ当たり前っちゃ当たり前の話である。
故に、0から始めるには不利な事業と言える。

それでは0から始められるものを考えてみよう。
それは、既存事業者がアセットを抱えるがゆえに旧来のビジネスモデルに囚われている場合だ。
その場合、アセットを抱えていない外部からの気楽な僕らにはリプレイスできる余地がある。
例えば、結婚式を例に出してみよう。
まず結婚式は当然オフラインの方が良い。
皆が集まってワーワーキャーキャー言い合って、新郎新婦が接吻したりケーキカットしたり、写真を撮って盛り上がるのだから。
がWCの時代にあんな大勢が集まれるわけもなく、当然オンラインで結婚式をなんとかせざるを得なくなる。
そうなった時オンライン結婚式を、旧来の結婚式場屋がやるかといったら、おそらくやらない。
彼らの一番のアセットは、その豪華で人気な式場の存在になるので、なんとかそれを絡ませて、そのアドバンテージを活かす方向に考えるからだ。
しかしオンライン結婚式においてそんなもんはアドバンテージになるわけもなく、むしろ円滑な進行やら演出が重要になり、それは結婚式場屋よりも僕らIT人間のほうが遥かに強い部分なのである。
故にこのオンライン結婚式というジャンルに限って言えば、0から始めても十分戦えるし、むしろ既存事業者に比べて僕らが有利な状況で始められるケースもあるわけだ。
まっとうなスタートアップにはこだわりがそもそもないわけだから、挑めるし挑みやすい。
んが、一点注意しておきたいのだが、このオンライン結婚式はビジネスで言うと「無い」と考えられる。
そりゃWCの時代においてはニーズはあるかもしれないが、結婚式に限って言うとオフラインのほうが遥かに良いのは分かりきってることだし、そしてフリークエンシーという観点からも一生涯に大抵は一度しかやらないわけで、そのたった一度のことならば、オフラインが再びできるようになったACになると、皆オフラインに戻っていくだろう。
ACの時代にオンライン結婚式を敢えてやるファンキーな奴なんておそらくいない。
故にACだと廃れると考えられる。

次に考えるのは、WCによってリプレイスではなく新たに余白ができた部分だ。
オンラインになったことで新たなプラットフォームが出てきた。
ZoomやらRemoやらである。
新たなプラットフォームの台頭に伴い、新たな余白も生まれる。
もちろん理想はプラットフォームの位置を狙うことだが、今更それは難し良いので、それに付随するものを作るのが楽だ。
Instagramが出来たらフォロワー自動増加システムが出来たり、Twitterが出来たらTogetterだの何だのが生まれただろう。
そんなものがこれからポンポンポンポン出てくるので、それをいち早く作るというのが非常に手っ取り早く現実的だ。

あとはBCにおいては必要なかったけれど、WCによって人の流れが変わった事でニーズが出てきそうなサービスなどもある。
例えば変な例で恐縮だが、BCにおいて一部で出てきていたがメジャーになっていなかった「芸能人と1対1でやり取りできるサービス」なんかもそれに該当する。
このサービスに関しては解説すると非常に長くなるので割愛するが、シンプルに言うとこのサービスのビジネスドライバーは「パワーのあるタレントの確保」だ。
これがあるかないかでサービスが上手くいくかは決まる。
だがBCにおいてこれが出来ていたサービスはない。
どこもかしこも、聞いたことも見たこともない様な地下アイドルばかり揃えていて、何一つ魅力がないものばかりだった。
そんな訳の分からんタレントを沢山いれるよりも、小泉今日子だの鈴木保奈美だの山口智子だのが一人でもいたほうが遥かに価値があるわけだ。
んが、現実問題BCにおいてはこれは成立しなかった。
なぜなら小泉今日子にしても鈴木保奈美にしても、既に有名になってるタレントにしてみりゃ、わけの分からんオタクを相手に一対一で時間が拘束されるより、テレビに出て沢山の人を相手にしたほうが遥かに金が稼げたからだ。
諸々のリスクもないし、権利関係すら気にする必要はない。
故にタレントは誰もBCにおいては参入しようとしなかった。
だがWCになると状況は変わってきて、タレントのニーズが急激に落ち(というか人気は依然としてあるが出番が無くなった)、まあ簡単に言うと暇になり金に困ってきたわけだ。
そうなるとその中の何人かがこういったサービスに流れてきたとしても不思議ではない。
WCにおいてもしかしたら盛り上がる可能性があるとも言える。

あとはベタだけれど、家に留まざるを得ないので、デリバリー系なんかも当然イケる。
昨今話題のスムージーD2CのGEEN SPOONなんかもその最たる例で、スムージーの素材を家に定期的に届けてもらったとしてもBCにおいては一部の健康好きが使うイメージしかなかったが、WCにおいて家で美味しいものを食べたいという人が急激に増え、それでいてヘルシーなものが食べたいということもあって、急速にニーズが増えると考えられる。
もちろんMust haveの域にまではいくことはないが、Nice to haveの濃度が高まったことは間違いないだろう。
同じく前にブログで取り上げた全国のパン屋のパンデリバリーのrebakeなんかも、同じ様な素質を感じ取ることが出来る。

さて、まあ長々と書いたが、一つ確かに言えることは、今は間違いなく若い起業家にとっては近年稀に見る大チャンスと言える。
前回に書いた無いものは無いと思われていた時代が終わり、強制的なリプレイスによって新たなShareの奪い取り、言わば群雄割拠の時代の始まりだろう。
起業したくてもネタがなくて、弱いペインに固執していた若い起業家の人は、今が大チャンスという事に早く気づき、そしてスマートに先を見据えて、上手いことアウトプットを出せれば、その先はブリリアントな未来が待っている。
是非頑張ってもらいたい。
しかも起業のリテラシーに関しては、これだけ情報が広まった今、さして差はない(まああるけど)。
そんな状態で、1,2の3で始められるこの素晴らしさ。
ワクワクするに決まってるじゃないか。

以上、起業の勧めである。

さて、では最後に幾つか関連する宣伝をしておこう。

まず僕は個人的にネットワーキングの可能性というものに興味がある。
人はオンラインだけでどこまでエンゲージを上げられるのか。
どんな関係が築けるのか。
それを追求したく、スタートアップ界隈の人向けのオンライン懇親会なるものを始めてみた。
こちら今月の4月27日に第二回が開催されるので是非ご参加いただきたい。
そしてそれらを議論するべくFacebookグループも作ったので、併せてご参加いただければ嬉しい。
スタートアップ界隈の人向けのオンライン懇親会

次はお決まりの僕のオンラインサロン IT Startup Community の宣伝。
僕は起業家や起業を目指す人向けに様々な情報をこちらで配信している。
このサイトのブログ記事は大半が実はサロンで書いた記事のリライトだったりする。
他にも幾つかの面白い試みや、魅力的なサロン特典などを用意している。
無料お試し期間も設けているので、是非ご検討していただきたい。
IT Startup Community

あとは僕の連絡先を。
基本FacebookTwitterでご連絡いただければ、多少のものならば何でも相談に乗っている。
手前勝手で恐縮だが、幾つかの有名アクセラレーションプログラムでメンターをしているので多少なりともお役に立てられることはあるだろう。
是非気軽にフォローなりコンタクトなりしてもらえれば嬉しい。
こんな時代だから繋がって支え合っていこう。
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以上、今回の記事は終わり。
願わくば若い起業家志望の皆さんにこの記事が広まるように。


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